■違いの大きいMI-504とMI-506

パワーザウルスにはMI-504/506/506DCと3系統ありますが、506/506DCはデジカメの有無が違うだけで本体としては同一です。

ここではMI-504と506の違いについて解説します。


■カタログスペック上の違い

これは一目瞭然ですが、MI504にはモデムが内蔵されていないこととメモリ容量が4MB(ユーザーメモリ1.45MB)しか無いことです。

解剖してみるとこちらも一目瞭然ですが、モデム系LSIとメモリ系LSIの実装状況に差がありあります。(MI506基板実装状況はこちら

ちょっと残念な点ですが、現在手元にMI504はありません。

MI504と506を比較するためだけに購入したのですが、一通りチェックし終わったのを機会に売り飛ばしてしまいました(^_^;

解剖図を撮影するときに2台持っていればデジカメを差し替えて双方撮ることができたのにと後悔しています。

ページを作っていると確認漏れ事項もあるのでちょっと早まったかな?

外観的な違い

こちらは筐体で解説していますが、MI-506なら電話回線用のモジュラジャックがある場所にMI-504の場合は蓋がついています。

LSI実装状況の違い(上がMI-504)

16Mbitフラッシュメモリが1個しか搭載されていないのと、モデム関連LSIが全く搭載されていません。

メイン基板の違い

サブ基板の下になっている部分ですが、CL-MD1724というモデム関連(アナログインタフェース)がMI-504には搭載されていません。

メイン基板裏側

MI-504には506に搭載されている電話回線用トランスが搭載されていません。

■MI-504はMI-506になるのか?

一時的にMI-504と506が同時に手元に合ったのでMI-504に506の補助基板を載せて見たのですが、残念ながら動きませんでした。

MI504のメイン基板上にはモデムのアナログ系LSIが搭載されていないことによる不整合が起きているのかもしれません。

または、ROMなどにMI-504/506の識別コードが記述されており起動時にハードウェアチェックを行い結果が違うと起動しないのかもしれません。

少なくともファームウェアは最近行われたバージョンアップでMI-504/506とも同一のものが利用できたことから全く同じと考えられます。


■MI504はここが使いにくい

しばらくMI504だけ持って行動した時期があったのですが、モデムが無い点に関してはPHSを使ったPIAFS通信により困りません。(NTTパーソナル321Sなので快適)

一番困ったのがデジカメの撮影枚数が少ないことで展示会などで撮影すると頻繁に画像をメモリカードに移し替える必要が生じます。

この作業を行ってから本体の画像を削除するのですが、この際メモり整理が必要となりバッテリ運用ではすぐに容量不足で整理ができなくなってしまいます。

大容量のATAフラッシュディスクが利用できるとは言え、パワザウの場合は本体側メモリを使う場面も多く(メールや通信で多用)、本体側が明いていないと不都合が出やすいと感じました。

価格を下げるためとはいえメモリはケチらず6M載せてくれればPHSやデジタル携帯電話オンリーでの利用を考える者にとっては良い選択肢となったと思います。

未だに私のパワザウ内蔵モデムは33.6K等の高速通信するときに通信エラーを発生するのでPIAFS通信しかしていないので余計にそう感じてしまいます。(修理してもダメなのです)

ちなみに、MI-504は506より消費電力も少ない(MI−504が2.1W506が3.6W)という点も見逃せません。

この場合はメモリチップへの電源供給とモデムLSIへの電源供給の差だと思いますが、1.5Wの大半はモデム関係ではないかと推測しています。

 これは実測値ですが、MI506の内蔵モデム通信を行った場合は約100分で通信がダウン下のに対し、PIAFS対応PHSの321Sで通信した場合3時間弱の通信ができました。

モデムというのは結構電力消費量が大きいようです。

ただ、MI-506クラスのメモリ搭載にモデム無しという機種を考えるとPI8000から内蔵モデムを取り去って携帯電話専用にしたモバイルZみたいな物となるので「モバイルP」とかが将来的に出るのかな?

MI-504は通信を利用しない人やPIシリーズから乗り換える人向けに提供されたと思うのですが、モデムはカードで何とかなるのに対し本体メモリはどうしようもないため、仕様的には中途半端だったと思います。