■詳細解説

 かなり主観の入った解説ですが、ハード/ソフト両面を解説しています。 でも、あまりにもアイクルーズが情けないので途中で更新を放棄したり、再度始めたりと歯抜けの状況です(^^; 特にソフト面は書いているとますます腹が立ってきます。

ハードウェア解説

ソフトウェア解説

アイクルーズ解剖図


■アイクルーズにもザウルスにもなりきれない中途半端なモノの歴史(99/07/05)

 「ザウルス」アイクルーズは不幸なマシンである

 それが購入してから約3ヶ月経過した時点での感想です。


◆ハード面は良いがソフト面に問題アリ

 ユーザーを見下すかのような「画面枠」の問題と、ACアダプタジャックの位置、クレードルの右端、電池の持ち時間を除けば、ハードウェアの機能面については10段階で8ぐらいの評価はできます。

 価格的には高いのですが、インターネットを使う上での最低条件は揃っています。

 一方で、ソフト面は延命をはかるかのようにアップデート/機能補完MOREソフトが公開されていますが、抜本的改善ではなく、統一感の無い場当たり的なものとなっています。

 追加MOREソフトは基本的にはQVGA(1/4VGA)仕様であり、アイクルーズのVGA画面を生かし切れていません。

 また、メニューに関してもアイクルーズはタブ型メニューを基本とするのに対し、アイクルーズ標準ソフトの中にも従来のアイコン型、文字型メニューを登載しているものがありますが、追加ソフトもメニュー構成はバラバラです。

 ソフトを作る側の立場とすれば、アイクルーズ専用では無くアイゲッティやこれから登場する機種でも使えるようにQVGAを基本としているのかもしれませんが、使っている側としては統一感のなさを感じ安っぽさを感じます。

 また、スクロールボタンとアプリケーションの動作も機能によってマチマチで、一例をあげればライブラリとMYコンテンツで同じようにホームページデータを表示できるのですが、ライブラリではスクロールボタンが効き、リンク選択もできるのに対し、MYコンテンツでは当初スクロールボタンすら効かず、後にアップデートによりスクロールできるようになったもののリンク選択ができないといった状況が続いています。

 メニューの不統一感と同様ハードとミスマッチの各ソフトの使い勝手もアイクルーズの評価を限りなく下げます。 ソフトの手抜き、間に合わせ的な出荷としか考えられません。

 この後9月頃まで各種機能補完ソフトが登場する予定ですが、それらによってアイクルーズが進化するわけではなく、フランケンシュタインのようにツギハギだらけのモノとして生きて行かなければなりません。


◆「ザウルス」と付けるから

 アイクルーズが不幸なのは「ザウルス」という冠を付けられてしまったということです。

 ユーザーが思い描く「ザウルス」とアイクルーズに登載された機能は似て非なるものであり、発売当初は過去機種からのデータ移行にも厳しい制限があり、従来のザウルスを使っていたユーザーの資産ともいえるデータが活かせない状況でした。

 この点は、ユーザー側としても「ザウルス」を買ったはずなのにそれは「ザウルス」じゃなかったということになり、失望することになります。

 購入前のユーザーも各種資料から「ザウルス」との違いが読みとれるので、即買いという判断はできないでしょう。

 コミュニケーションパルのように「ザウルスじゃない」ことが明確になっていれば、「レポート」「表計算」「インクワープロ」が無いと騒がれることもなくザウルスユーザーにも受け入れられ、アイゲッティのように価格対機能から見た妥協ができれば不足している機能に関してもある程度納得できるはずです。

 ところがアイクルーズは「PDAの頂点を目指す」はずの「ザウルス」なのに、ザウルスじゃない点を数多く感じるため、納得できないし購入しても満足度が上がりません。


◆ただの「アイクルーズ」だったら?

 「たられば」的になってしまいますが、アイクルーズがザウルスを名乗らなければ、画面枠がもっと大人しいデザインだったら、新ジャンルのPDAとして違った評価を得たことでしょう。

 また、ザウルス・アイクルーズと名乗るのであれば、最低限過去機種と同等の機能が登載されていれさえすれば「ザウルス」としてのアイクルーズはザウルスユーザーからも肯定的に認められたことでしょう。

 現在のモバイル/PDA市場で全くの新ブランドが通用するとは到底思えないのですが、ザウルスを超えようとしたアイクルーズが結局は「ザウルス・アイクルーズ」として世に出されてしまい、その結果として現ザウルスユーザーにザウルスの未来に対する失望感を与えてしまったということはザウルス離れを加速する事につながります。


◆アイクルーズ一回休み論

 今のアイクルーズにあれこれとソフトを追加しても満足度は上がらないでしょう。

 それどころか、操作や機能面の不統一感で使い勝手を損ね、返って満足度を下げます。

 以前ざうまがにも書いたのですが、「下手な考え休むに似たり」の格言通り、初代アイクルーズは失敗作としてこれ以上場当たり的なことはしない方が良いのでは?

 それよりも内蔵ソフトを抜本的に見直し、「ザウルス」としてのアイクルーズと、新世代携帯情報端末としてのアイクルーズに二分化してそのぞれのユーザー層に向けて開発しなおしてほしいと考えます。

 その結果を初代アイクルーズユーザーにフィードバックするかたちでソフトの総入れ替えなどしてもらった方が、満足度もあがるでしょう。


◆ザウルスに明日はあるのか?

 6月下旬に発表されたIDCのハンドヘルドデバイスに関するシェア調査では長らく独占に近い状態だったシャープのシェアが大きく下がっており、その原因の大半がザウルスの売れ行きが落ちたことだと想像されます。

 この原因はWindows CEのシェア上昇、メール専用のポケットボード効果、携帯電話で電話帳管理ができるようになったということが考えられますが、カラーポケット以降のメニュー構成やダイレクトキーの省略におけるザウルスらしさの欠如がユーザー離れを促進していると考えます。

 今後のPDAを考えると確かにJava&Jini登載による情報家電端末としての活用が期待されますが、それが花開くのは2年先のことでしょう。 いまから始めておかなければならないのはメーカーとして当たり前のことかもしれませんが、それを「ザウルス」で行うのはユーザーを困惑させるだけです。

 また、アイゲッティから始まったシャープスペースタウンと連携したインターネット上のコンテンツの利用促進に関しても先行きが不透明です。

 スペースタウンと同時期に始まったNTTドコモのi-モードサービスに対応したホームページの爆発的増加に見られるように画素数の多い画面を持つパソコンやPDAを利用しなくても役立つ/面白い情報が利用できるわけです。

 i-モードはかなりの影響力でインターネット端末としてのザウルスのシェアを食うと予想します。


 既存ザウルスユーザーがザウルスに求めるのは「電子手帳」の基本をしっかりと押さえた上での機能充実であり、シャープスペースタウンを代表とするインターネットコンテンツの利用端末を求めているのではありません。

 「今」を考えるユーザーと「未来」を見据えているシャープの開発陣との間で「ザウルス」という言葉に温度差があると感じています。

 今後もアイクルーズのような方向性でザウルスが作られるとしたら、2000年の6月末頃に発表されるIDC調査でシャープのシェアがどうなることやら(^^;


■現時点(99/07/07)アイクルーズの買い時は?

 さて、前回の更新から2ヶ月が経過し、アイクルーズをとりまく状況が変わりつつあります。

 このWebで指摘した幾つかの欠陥を補うソフトの公開が順次行われており、次第に「ザウルス」らしくなり始めていますが、上記の通りちぐはぐな状況は改善されないでしょう。

 それでも価格は10万円を切るまで下がってきており、メールやWebを見るといったインターネット系を重視するユーザーにとっては良い選択肢になるかもしれません。 

 機能改善ソフトが揃うのは9月頃といわれており、その頃なら他のザウルスシリーズからの移行もほとんど問題なくできると思われます。

 ボーナスつぎ込んで買う価値は無いとおもいますが、夏休みが終わってお金が余っていたら(^^; 買っても良いのでは?

アイクルーズ改善の歴史


■まるとの超悪口

 以下のリンク先ではアイクルーズのダメさ加減に滅茶苦茶な辛口コメントをしています。

 見る人によっては不快になると思うので、ザウルス大好きとかアイクルーズ買いたいな〜と思っている人、シャープさんの関係者は見ない方が良いでしょう。(見るも自由、見ないも自由とはこういうことです)

誰がアイクルーズをダメにした

■HP更新の歴史

 ここまで来るには苦難の道が... このトップページに書いた悪口集(^^;です。


■アイクルーズに関する質問はこちら

アイクルーズ質問箱 アイクルーズに関して答えます

■シャープさんに一言しないとザウルスの未来は無い!

ユーザーの声 アイクルーズご意見板

■買った人は「ザウルス者」としてご発言を

ザウルス者の館 買ったからにはとことんトン(^^?

■速報的解説

 発表直後にショールームで徹底調査。

 徐々に詳細解説に置き換わっています。

ざうまがFLASH 詳報 まるとの見たアイクルーズのファーストインプレッション
ハードウェア 本体周り->詳細解説へ 機器外観
デジカメ->詳細解説へ デジカメ部分を徹底公開
画面周り デジカメで撮影したのでわかりにくいかな?
ポート類 オプションポートなど
クレードル クレードルを詳細解説
その他諸々 誰も撮ってこない画像を公開
ソフトウェア ソフトウェア概況 Myコンテンツをどのように見るか
複数同時選択削除も可能に
メニュー周り 大幅に変わったメニュー周り
基本機能 変わったものもあれば変わらないものもあり、追加されたものより削除されたものの方がが多い(^^;
通信/インターネット フレーム完全対応ブラウザと使いやすさが向上したライブラリ
新機能インターネット予約録画機能
無くなったNIFTY SERVE、パソコン通信、TELNET機能
MOREソフト ゲームが無い(^^;
PC-Exchange Ver2.5に置けるExif形式のデジカメファイルアクセスが目玉
SZABでアイクルーズ対応MOREソフトは作れるのか?
ソフト諸々 常時時計表示
ややこしい通信形式選択
パソコンとのデータ交換 まだ60点の純正リンクソフト
噂の検証 噂はどこまで当たっていたのか?
undocumented i-cruise アイクルーズの秘密
スペックシート 正しいアイクルーズ情報

■アイクルーズ発表当日の各社報道状況

 当日のWeb内容を見る限り「こりゃすげ〜」「やったね」といった記事は無し。

 あのインプレスPC-Watchがプレスリリースベースで終わったのが謎(^^; 見放しちゃったのかな〜?

本家 シャープWEB ニュースリリース スペックなどの確認はこちら
本家 シャープWEB インターネットザウルス「ザウルス アイクルーズ」新製品情報 画面周りとかオプション類の情報はこちら
インプレス PC-Watch シャープ、VGA液晶を搭載した「ザウルス アイクルーズ」 今回は珍しくニュースリリースベースになってます。
日経Biztech ●シャープ、640×480表示の新ザウルス 手堅くリリース押さえてます。

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