■頼みの綱のユーザーサポートのはずが...

 私のホームページには「言いたい放題/ユーザーサポート目安箱」という会議室があります。

 これはザウルス関連に関してシャープさんに言いたい事やバグ、仕様などに関してぶつけどころの無い怒りを書いてもらおうという趣旨で開設したものです。

 リアルザウルスユーザーのリアルな声が発言されるため、現在ザウルス関連で発生している種々の事象を知ることができます。

 その中で最近特に目立ったものがPowerPIMMとシンクロする際のエラー発生と、そのエラーに対するユーザーサポートの対応に関するものです。

 サポートに電話したけれど繋がらない、繋がったけど要領を得ない、違うサポートに聞いて欲しいとたらい回しにされた、気軽に再インストールとか全初期化をするように指示されるなどサポート体勢の悪さを感じさせます。


■繋がらないザウルスホットライン(98/10/20)

 私の場合、何かトラブルが発生しても大抵のものは自分で解決するか、ネット上の情報を探し回って対処します。

 また、バグに対する慣れもあり、むやみに動き回らずに情報を待つ体勢をとります。

 しかし、ザウルス初心者にとって何かトラブルが発生したら、まずは「ザウルスホットライン」に電話する事でしょう。

 しかし、「ザウルスホットライン」は肝心な時に繋がらないようです。

 私は最近利用していなかったのですが、ユーザーサポート目安箱や私宛に来るメールで「ザウルスホットラインが繋がらない」というものが増えています。

 ものは試しに私も電話してみたのですが、本当に繋がりません。(質問は「MI-610のでインターネット上の掲示板などに書き込みをする場合、携帯キーボードを使うと入力ボックスのスクロールが正常に行われないため上手く入力できない」というバグに関してです)

 繋がらないという現象は、多分新機種のMI-310絡みの質問が増えているためだと好意的に解釈しますが、ユーザーにとって肝心な時に繋がらないというのは使えないサポートということになります。


 また、これは過去の経験から言える事なのですが、ユーザーサポート担当者の経験及び役職によって受けることのできるサポートに差があるように感じます。

 同じ質問をしても的確な回答が即時得られる場合と、回答を得るまでにかなり待たされる場合や、バグなどの対応時に代替機の貸し出しなどのサービスを受けられる場合と受けられない場合があるようです。

 また、ユーザーサポートの対応を見ると最初に出た担当者では解決できない場合、その上司に回されることが多いようです。

 代替機に関してはかなり強く要望しないと貸し出しを得ることができません。


■PowerPIMMにバグは無いのか?、サポートは適切か?

 こちらはPowerPIMM絡みのエラーに関してユーザーが怒りを込めて「ユーザーサポート目安箱」に書いているのですが、PowerPIMMを使ったシンクロを行っていると"5004/5005"などのエラーコードがザウルス側に表示されてシンクロできなくなります。

 この問題はPowerPIMM 3.0以降で頻発しており、PowerPIMM側の問題では無いかと推測しているのですが、根本的な原因まで明らかになっていません。

 PowerPIMM 3.0は発売以来バージョン"R2","R3"とアップデートが繰り返されており何らかの問題があることは明らかなのですが、バージョンアップの常で「改善」という名目で告知されています。

 また、本来アップデータファイルの公開は事はザウルスプラザやNIFTY のFZAURUSでも告知すべきことだと考えるのですが、シャープ(株)としての正式告知はありません。

 NIFTYではFPDAJなどではユーザーが情報を発見して掲示するという状況です。


 さて、シンクロエラーの問題をPowerPIMMユーザーサポートに連絡した時にどうなるのか?

 PowerPIMMユーザーサポートの対応に関しては私自身が直接体験したわけでは無いため、ユーザーの発言を参考にしていますが、大抵の場合「ザウルスの全データバックアップをとってから全初期化してデータを復元する」ように指示されているようです。

 また、「PowerPIMMを一旦削除してから再インストール」することを指示されるようです。

 再インストールや全初期化と気楽に言ってくれますが、こういう作業はユーザーにとって時間の無駄であり、慣れないことをすることによるデータ消失の可能性があります。(特にMOREソフトの乗り換え案内<一部バージョン>がインストールされいる場合のバックアップ/リストア障害でリストアできずに全データを失う場合があります)

 また、同じ人が再度質問する場合でも以前の質問履歴をとっていないらしく、再度同じような対応を指示する場合があり、ユーザーの怒りを買っています。


■たらい回しにされるエラー問題

 こちらも会議室に発言されているユーザーからの情報ですが、PowerPIMMを使ってシンクロエラーが発生した場合に、PowerPIMMサポートに電話したときに、「こちらでは解らないのでザウルスホットラインに聞くように」と指示される場合があるようです。

 ユーザーにはわかりにくい事なのですが、PowerPIMMを作っているのは同じシャープ株式会社であってもザウルスとは関連の無い部署です。

 そのため、電話を転送するということもできず一旦かけ直す必要があり、同じ質問を再度ザウルスホットラインにすることになります。(その逆の場合もあります)

 こういったことがユーザーに「たらい回し」という印象を与える結果となり不信感を抱かせることになります。

 その結果として解決すればユーザーも怒りませんが、解決しないので怒りが増幅します。

 部署間の連絡の悪さ、ライバル視的な問題がPowerPIMMのアップデータに関する告知問題やザウルスプラザにおけるPowerPIMMのWindows 98対応問題に関する無視的対応に繋がっているようです。

 ユーザーから見れば「シャープ株式会社」は一つなのです。

 同じメーカーの製品で統一することで問題の発生を極力抑えたつもりでも結局はトラブルに巻き込まれ、その改善は遅々として進まないことになりシャープ(株)の製品は信頼できないとまで言わしめることになるのです。


■メールサポートをしないのは何故?

 常々疑問に思っているのですが、これだけインターネットが普及し電子メールを利用するユーザーが増えている現在、メールによるサポートがなぜできないのでしょうか?

 確かに電話で細かく現象を聞かなければ把握できない問題もあると思うのですが、ユーザーによっっては要点さえ教えてもらえば自己解決できるという方も多いはずです。

 また、電話が繋がらないサポートの現状においては繋がる事を待つより、メールしておいて回答を待った方が時間の無駄がありません。

 メールというのは書き方によっては誤解を与えることもあり、トラブルの出やすいものですが、電話だとハッキリしない要点も文字にしたり画像や図を添付することで解決が早くなる場合もあります。

 ユーザーニーズに応えた的確なサポートを目指すのであればメールによるサポートも行う必要があるでしょう。


■もっとユーザーに情報を!

 私が運営している何でもQ&Aや、NIFTY SERVEのザウルスローラム(FZAURUS)、FPDAJなどを見て、いつも思うことは「同じ質問が繰り返される」という事です。

 FAQ(Frequently Asked Question<繰り返される質問と回答>)という言葉があるように、ユーザーが疑問に思う点は共通であり、その答えもまた共通なのです。

 こういった質問に対する回答集がFAQ集と呼ばれるもので、ザウルスプラザには機種別にQ&Aとして掲示されています。(この点は評価しています...が建前があるために本当の意味でユーザーの疑問に答えているとは言えません)

 PowerPIMMに関してもこのようなQ&A集がないものかと探したのですが、該当するものがありません。(メビウスFAQで検索すると多少ヒットしますが、内容としてはメビウス寄りのものとなり問題解決には役立ちません)

 ザウルス関係のサポートを見ていると、できるだけユーザーには情報を提供しないように隠しているとしか思えない対応を感じます。

 過去の質問とその回答のようなものが掲示されていれば、ユーザーが自分自身で解決できることもありますし、その内容によってFZAURUSやQ&A会議室などで他の方にアドバイスすることもできます。

 また、質問に対する回答の中にはユーザーが共通に役に立つ解決方法もあるようですが、そういった事はメーカー側からは公開されず、サポートを受けたユーザーが会議室などで発言して初めてユーザーが知ることになります。


 この事例として、ザウルスとOutlookをザウルスパワーコネクションを使ってシンクロする場合にOutlook側のアドレス帳にグループがあるとシンクロエラーとなる問題に関して、問い合わせたユーザーのみアップデートプログラムを供給しているという問題でしょう。

 この問題はNIFTY SERVEのザウルスフォーラムでも度々問題となり、あるユーザーの方がアップデートプログラムが提供されていると発言されるまで明るみに出ませんでした。


 パソコンに関するQ&Aやマイクロソフトなどメジャーなソフトに関する情報はメーカーだけでなくユーザーWebでも入手できますが、ザウルス関連はシャープさんしか情報を持っていないのです。

 もっと、ユーザーを信じて情報公開すべきでしょう。


■ユーザー本位のサポート体勢を

 トラブルの内容は千差万別なので、ユーザーサポートの方も苦労されていると思いますが、最後の頼みの綱がユーザーサポートですし、ユーザーサポートはメーカーの顔ともいう存在なのでユーザー本意のサポートを目指してもらいたいと考えています。

 ザウルスユーザーに対する情報提供の場に関して、私を含めてザウルスユーザーは喜んで協力すると思うのですが(^^?


参考:以下の記述はWindows 98の発売前にサポート問題として取り上げたものです。

■Windows 98における対応はどうなるのか?

 現時点(98/07/15)ではWindows 98は発売されていません。

 しかし、PreviewBetaなどが配付されており、その上でザウルス用アプリケーションであるザウルスパワーリンク、パワーコネクション、PowerPIMMなどを実行するとどうなるか?

 ケーブル接続の場合は多分問題なく通信できますが、光通信は正常にできないはずです。(あくまでも98β版での動作ですが)

 また、光通信に必要なマイクロソフト赤外線ドライバに関してWindows 98は標準で用意されておりすぐに組み込むことができますが、パワザウ、ザウポケのマニュアルに書かれている通りWindows 95用のマイクロソフト赤外線通信ドライバをインストールすると取り外しに難儀します。

 もうひとつ、これはパワーリンク等のせいだけでも無いはずですが、Win98では標準となるインターネットエクスプローラ4.0というかアクティブデスクトップとの相性に問題が生じる可能性もあります。

 これらのことは一部ユーザーの間でも問題となっているのですが、シャープからは公式な見解が出ていません。

 Windows World Expo会場で説明員の方に聞くとβ版上での動作に問題があることは認識していたようですが、それをユーザーに積極的に告知することは考えていないようでした。

 建前からすると「Windows 98正式版で確認しないと動作するかしないかわからない、対応ソフトを作るにも正式版での動作確認が前提となる」というのはもっともな事です。(公には言えないでしょうがメビウスなどWin98対応可能なPCを作っているメーカーには出荷仕様とほぼ同等のRC版もしくは出荷を前提としたOEM版が配付されているはずですからチェックはできるのですが(^^;)

 しかし、Windows 98が出荷される7月25日以降に困るのはユーザーなのです。

 「95から98にバージョンアップしたらデータ転送ができなくなった」、「買ってきたWin98パソコンにパワーコネクションをインストールしたら正常に動作しない」といったユーザーが続出する可能性があります。

 多分シャープの方で7月25日までには何らかの対応策を提示してくれると思っています(Windows 98側が何らかの対応をするという可能性もあります)が、問題が生じる可能性があることや対応策をいつまでに提示するなどの情報公開がなされないと混乱するのはユーザーなのです。

 Win98問題はシャープの問題でも無いし、ザウルス関連アプリだけでなく様々なソフトで起こりうることです。

 ユーザーも納得して対応を待つことができると思います。

 それ故、事前にWindows 98上で動作させた場合に発生しうる問題点の詳細な告知をしておき安全策を採るならWindows 98へのアップグレードはせずにおくようなアドバイスをする必要があるのではないでしょうか?


1998/07/25 補足

 ザウルスプラザでWindows98におけるザウルス関連アプリケーションの動作についてが公開されました。(ザウルスパワーリンク for Outlook97とAccess97だけすが)
 予測していた光通信の問題については曖昧な表現となっており、実際に検証してから再度こちらでも結果を掲示します。

 また、ザウルスプラザの告知ではザウルスユーザーの多くが利用していると思われるPowerPIMMに関する告知がありません。
 こちらに関してはsharp.co.jpのページで告知されています。 sharp.co.jpのページにおけるPowrPIMM他の動作状況告知

 取り扱い事業部の違いがあるようですが、ユーザーにとっては同じシャープ(株)製のアプリであり、ユーザーの事を考えた告知をするならザウルスプラザでも告知するか、該当ページにリンクすべきでしょう。


■告知が遅れてユーザーを混乱させていた例

 こういった事をしないためユーザーが混乱している事例がOutlook98でザウルスパワーリンク for Outlook97を使うと正常に動作しないという問題でしょう。(1998/07/15時点)

 Outlook98の店頭発売は7月25日が発売日とされていますが、実際にはOutlook97ユーザーには6月25日以降に発売されています。

 そうして手に入れたOutlook98にパワーリンクを組み込むと(組み込み方も違ってきているのですが)組み込んだはずのパワーリンクが消えてしまいます。

 これはアドインの組み込み方がOutlook97とOutlook98で違うための問題と、アドインを登録しておくフォルダの問題が絡み合っています。(根本的にはパワーリンク側のアドインディレクトリに対する考え方が間違っている気がします)

 この問題を回避する方法は問い合わせをした一部ユーザーに対して通知されているようです。(NIFTY SERVE FZAURUS においてwebmaster@sharp.co.jpに対してメールした結果の回答メールが掲載された事例があります)

 すでに回避策が出ているにも関わらず、ユーザーが目にすると思われるザウルスプラザやFZAURUSには問題の発生すら告知されていません。

 確かに現在提示されている回避方法はベストな方法とは言えません。

 しかし、最低限「問題が発生する」という告知はあってしかるべきだと考えます。

 Outlook98で使えないのであればそのように告知してくれればとりあえずOutlook97のまま使うでしょう。(それでもOutlook98にするのはユーザー側の自由です)

 未完成でも回避策があるならそれも告知してもらえば知らずにOutlook98にしてしまったユーザーの救済策になります。

 PIMの生命線でもあるデータのシンクロに障害が出ることを知っていながら速やかな告知をしないというのはユーザーを混乱させ、結果として心証を悪くするだけだと思うのですが?


1998/07/25 補足

 この問題も98/07/24にザウルスプラザで対応方法が公開されました。
 その点は「やっと公開されたか」と思うのですが、前述の通り手作業でデータの移動などを行います。
 問題発生点がわかっているのであれば、インストーラの変更などのバージョンアップ等を提供できるのではと考えてしまいます。


98/10/21 補足

 Windows 98への以降は結果的に大きな問題は出ませんでしたが、光通信に関しては「パワーマネジメント」と「ウイルスチェッカ」が邪魔をするためにエラーが出やすいというアドバイスをザウルスホットラインで受けたというユーザー間情報があります。

 こういったことを一言でもザウルスプラザ等にあげておいてくれれば、光通信のエラーで悩むユーザーも減ることでしょう。