■FZAURUSの没落

運営する側に情熱がなけりゃ廃るだけ

・1995年頃(FZAURUS急成長時代)

FZAURUSに最初にかかわったのは1994年頃だと思うのですが、PI5000FXを手に入れてからです。

この当時のFZAURUSは結構活発なフォーラムであり、シスオペやボードオペの士気も高かったと思っています。

これはザウルスという製品がPI5000で一つの完成形態となり、電子手帳+通信環境という新たな可能性を探り出したことが大きな要因です。

FZAURUSを運営する側、参加する側とも非常に前向きに意見を交換し、良いフォーラムにしようという勢いを感じました。

ただし、その前からザウルスネタを扱っていたFENOTE(現FPDAJ)とFZAURUS開設を巡り若干の軋轢があったらしいことは聞いています(^^;

また、当時のシャープさん側の担当者も非常に熱心にFZAURUSの運営にかかわっていたと聞いています。 シャープさんで言うところの業務の範疇を超えていたようです。


この当時のシスオペであるN氏は後にシスオペという立場を利用してザウルス本の執筆のためフォーラムを通じてメンバーを集めるなど公私混同が見られ最終的にN氏はFZAURUSを去っています。(同時にFZAURUSを運営する会社からも退職したそうです)

その後はいくつかのフォーラムを立ち上げてシスオペに収まっているようなので、シスオペというのはやりかたによっては相当実入りの良い商売なのでしょう。(NIFTにおける公然の秘密としてアクセス時間に応じてシスオペに対するキャッシュバックがあります。 これが運営する側のメリットといえます)


・1996年頃(没落の始まり)

その後私が直接かかわるM氏がシスオペに就任するのですが、この頃からFZAURUSの停滞が始まっています。

FZAURUSには13番会議室「こちら編集部」としてFZAURUSのメンバーとシスオペグループの討論の場を設けているのですが、そこにユーザーから投稿された意見に対して当初M氏はある程度の回答をしていましたが、だんだんと回答も少なくなり、メンバーに対して約束したことを守らない状況が続き最終的には意見を発言しても無駄という状況になっています。

これは主に2番会議室で公開されているフォーラム基礎知識を更新しないという問題や過去ログの整備問題に関するメンバーの要求を「改善する予定です」などと言って場当たり的にやり過ごしたことが原因となっています。

会議室に発言するのはアクティブなザウルスユーザーであり、ザウルス経の宣教師としてどんどんザウルスユーザーを増やす立場にいましたが、こういったシスオペ側の態度に業を煮やしついにはフォーラムを去っていってしまいました。


・運営側の思惑(全ては数字)

私もボードオペとなって初めて知ったのですが、FZAURUSはユーザーフォーラムとなっていながらシャープのステーション的役割を果たし、その運営はシャープの下請け会社が行いシスオペおよびサブシス(シスオペ支援)は下請け会社の社員が会社の仕事の片手間に行っていたとうい事実があります。

また、シャープさんにもFZAURUS担当社員が存在しており何度か異動があったようで、私がボードオペになった当時は技術系の人がやはり仕事の片手間にフォローしているような状況でした。 シャープさん側の担当者はパソコン通信のこと、NIFTYのことを理解しておらず、基本的には下請けのシスオペのいうがままという状況らしく、FZAURUSの運営などにはほとんど興味がないようでした。

シャープさんやシスオペが最も気にするのがFZAURUSのトータルアクセスタイムで、これはザウルスの通信機能を使うとデフォルトでFZAURUSにつながるためNIFTYの中でもトップ3に入るぐらいの好成績を収めていたようです。

しかし、アクセスタイムを稼ぐことばかりがフォーラム運営側の仕事ではありません。

フォーラムを利用するメンバーが快適に利用する環境を作るもの重要な仕事です。

しかし、前述のようにメンバーからの要望に関しては曖昧な態度でやり過ごし、最終的にはメンバーが怒り出してフォーラムから脱退するという事態になっています。


・硬直する会議室構成(フォーラムの役割が理解できていない)

また、未だにPIシリーズとMIシリーズで会議室を分離できない、コミュニケーションパルといった新型が登場しても全くその話題を話す会議室がないという非常に硬直したフォーラムとなっています。

確かにQ&Aは随時流れるため、見に来る価値はあるのですが新機種の情報をいち早く詳細に知りたい場合に役だつはずのメーカーフォーラムに情報がなければ見向きもされないはずです。

一方でライブラリは不要なライブラリが散見され、ユーザーがとまどう状況となり、ライブラリで公開されている情報も鮮度が落ちて利用価値の無いものとなっています。

この状況は「ザウルスでアクセスするフォーラム」という言葉が錦の御旗のように用いられ、ザウルスネットのアイコンで選ぶから会議室を新設してもアクセスできる人が少ない/ライブラリの中でザウルスを使ってアクセスできるものが限定されているなどの理由で整備が行われませんでした。

私がボードオペ時代は再三にわたってMI系ザウルス会議室は別途設けるべきだと進言したのですが、前述の通りの詭弁により実現しないままに終わっています。


・ザウルスを好きじゃ無い人が運営しても腐るだけ

結局、シスオペ側も別に自分が熱心なザウルスユーザーだからシスオペをしているというわけではなく、業務命令で仕方なしにやっているという態度がアリアリ、シャープさんの担当者は何も分からずただアクセスタイムに一喜一憂するというフォーラムを商売のネタとしか考えていない運営体制なのです。

メンバーから見ると貴重な情報源であり、情報交換の場であるFZAURUSもシャープさんのようにメーカーから見れば業務の一つであり、費用対効果が全てという世界なわけです。

シャープさんもFZAURUSの運営コストが無駄だと判断したらしく、アイゲッティやアイクルーズからはNIFTY接続機能を搭載しなくなりました。(機を一してザウルスプラザも廃止になりました)

ユーザーの立場からするとザウルス関連情報を入手できる場所がスペースタウンを中心としたインターネット上からだけとなるため、一般的なユーザーの場合はメーカーお仕着せのQ&Aだけしか探せ出せない可能性があり、問題解決のための自己努力が及ばないという問題があります。

何よりSSTは会議室のような発言ができるわけでなく、メーカーからの情報を一方通行で受けるだけです。

パソコン通信は既に過去のものという意見もあるのですが、フォーラム単位での情報集約およびユーザー間での問題解決自己努力は非常に貴重なもので存続させる意味があると思うのですが、シャープさんは過去資産として捨て去る方向で進んでいるようです。


・FZAURUSが多少は役に立つことも

シスオペグループの仕事で唯一アクティブなのが「情報ステーション」と「週刊特選メニュー」の更新作業です。

これらは毎週金曜日前後には確実に更新されつづけています。 

情報ステーションは便利な情報集というべきものであり、最近のザウルスに搭載されている記念日などのデータや時刻表、パズルなどが公開されていました。

週刊特選メニューはNIFTY上のフォーラム中の面白いネタをピックアップするもので、タイトルリストにタッチすると該当するフォーラムへジャンプするという仕組みでした。

今でいうクイックパス的な動作をしていたわけです。

こういった作業は非常に地道な努力を要求され忍耐強く続けなければなりません。 私が担当者とメール交換した感触では前述の下請け会社の新入社員が担当させられているようでした。

また、特選メニューの内容に関しても過去にはユーザーからの投稿もあったようですが、結局サブシスのセンスでネタを選択するようになってしまったようです。

かわいそうな点は一生懸命データを作っても結局アクセス数が漸減傾向にあり、そのデータに関する感想もほとんどないという手ごたえのなさでしょうか。


・知りたけりゃ見に来いの発想

これは後述するザウルスプラザやシャープスペースタウンにも共通して言えることですが、シャープさんは結局ザウルスに搭載されている「メール」という機能を生かせず、情報を見たければ見に来い的に並べておくだけという姿勢を変えようとしません。

また、ユーザーの意見などにも聞く耳を持たないようです。

既存機種のバージョンアップ情報などメールで通知があればどれだけのユーザーが問題解決に役立つことでしょう。 

私が運営している会議室を見ても指摘されてはじめてバージョンアップに気付いたという人を見かけます。

PIシリーズの頃から情報ステーションや週刊特選メニューなどはメールの添付データを基本としており、ザウルスのメール機能に特化して情報配信できる仕組みは用意されていた言えます。

今振り返るとこの機能ををうまく生かせばメールマガジンと同様のことができたと思えてなりません。

ユーザーは情報の受けてだけでなく、情報の送り手にもなれるというネットワーク特性をいち早く理解しているはずのザウルス&シャープさんがその特性を活かしきることなく今に至っています。(自分のWeb用クイックパスを作ることができないのが良い例)


・まるとの反省

1996頃(正確な期日は忘れた)からボードオペ(会議室運営を円滑にするためのボランティア)をしていたわけですが、当時は前述のような背景が良く分からず、シャープさんやシスオペの手先のような動きをしていました。


・ボードオペの役得

ボードオペの役得として該当フォーラムにアクセスしている間は課金が無料(ただし通話料は有料)というものがあります。

また、後に私はパワーザウルス登場とともに専用会議室のボードオペも受け持つこととなり、この前提としてMI-506の貸し出しを受けています。

また、現在のSZABの前身であるCE-KT5(ZAB)が入手できたのもボードオペとしてのシャープさんへのコネが有効でした。(FZAURUS担当経由で販社に話を通してもらった)

結局後にこのMI-506を巡ってシャープ側担当者ともめることとなり、その結果ボードオペを解任されてしまいました。


・シャープの手先的ボードオペ

私がボードオペ時代の行動に関して一番反省しなければならない点は明確な「バグ」に起因する問題が発言された場合はその回答としてバグという明言を避け、曖昧にごまかすような発言をしたり、会議室の発言をシャープ擁護に誘導するような操作をしたということです。

また、フォーラム内においてシャープさんを非難したりバグを公言することに対する暗黙の制限事項があり、時としてボードオペが発言に介入するということもありました。(これが得意だったのがボードオペのK氏)

MI-506などは登場当初から大バグがいくつか見つかっており、その中で最も最初に露見したのがユーザー辞書の記憶が飛んでしまうと言うものでした。 

これは後にバグとして修正(まあ、シャープさんは例によって「快適にご利用いただくための改善」だけど)されましたから本物のバグなのですが、当時のフォーラムでは個別の現象として問題をそらしていました。


・ボードオペだって立場は一緒

一方で私もMI-506を使っていてフォーラム発言された内容に関して追試していますし、私自身が発見したバグ(8月病として知られるバックアップ/リストア不良)も随時シスオペを通じてシャープさんに連絡していたのですが、その回答をもらったことはほとんどありません。

大抵の場合はアップデートソフトが公開されてそれを実行して直っていれば改善されたという判断をするしかない状況でした。

シャープさんは運営側スタッフにも正しい情報を流さなかったわけです。


・FZAURUSは再生できるのか

ザウルスに関する情報集約基地的な役割以外は今後ともFZAURUSには期待できません。

質問系以外で活発なのはオフラインミーティングやフリートークなのですが、こちらもいずれはインターネット上のチャット等に流れて廃るでしょう。(実際に発言数も大幅低下している)

本来FZAURUSはNIFTYを初めとしたネットワークへの最初の一歩を担うはずで、フォーラムの発展性があればいくらでもメンバーをひきつけることができたはずです。

「ザウルスユーザーのため」という言い訳で会議室追加などを行わなかった結果、少しネットに慣れたユーザーはFZAURUSから離れ、戻ってきません。

同時にザウルスユーザーも辞めてしまうことになります。

こうしてFZAURUSのメンバーは減少しつづけるのです。

もし、FZAURUSが再びメンバー増加を目指すのであれば運営をシャープさんおよび下請けからメンバーの有志の手に任せるべきでしょう。

自由な発想の元、現在のザウルスを取り巻く環境を敏感に会議室構成に反映させることができればアイゲッティ、アイクルーザーユーザーといった新型だけでなくコミパルやブラウザボート、ポケットボードプラスといった兄弟機のユーザーをひきつけることができるはずです。

また、インターネット上のユーザーホームページ、掲示板、会議室とも相互に乗り入れることができればより広がった世界が実現できるでしょう。

私自身Webを運営し、20近い会議室、6個の掲示板を管理していますが、常にユーザーの動向を見ながら構成を変化させています。

こういった努力を少しでもFZAURUSのスタッフがすればFZAURUSも末永く安泰でしょう。

ただ、聞くところによるとFZAURUSの寿命はPI6600が発売されてから5年程度とも言われており


・FZAURUSにかかわってきた反省がざうまがに活かされている

結局FZAURUSボードオペというのはたいした責任も無い代わりにフォーラム内でできることも限定されていました。

シャープさんやシスオペから見れば使い捨てにできる下請けのようなものでしかありません。

一方でボードオペはどうしもメーカー側寄りの立場となり言いたいこともいえない状況でした。(特にMI-506を借りているというハンディもあり余計に本音が出せない)

こういった現状にいい加減飽き飽きしていたときにMI-506の借用に関する書類処理に伴うシャープ担当者とのいざこざが発生し、急速にFZAURUSのボードオペという役割に興味を失っています。

同時にインターネット上の情報公開を急速に進め、ザウルスに関する本音情報を公開するようになりました。

これが「まるとのPDA情報局」時代です。


この方向性はその後のざうまが創刊にも繋がっており、ザウルスユーザーが知りたい情報をタイムリーに伝えるメールマガジンに力を入れるようになりました。

ざうまがに至るまでには宿敵とも言えるザウルスプラザの存在を抜きには語れません(^^)/