■他のザウルスからデータ受信ができるようになったものの...

 1999/06/04にMOREソフトとして「データ追加受信」ソフトが公開されました。

 仕様を見ると、他のMIシリーズ、コミュニケーションパルの全データを受信して、適宜アイクルーズのデータに振り分けるようです。

 情報ファイルの分類も保持されるため、これまでの個別受信->その後情報ファイルへ1件づつ登録という気の遠くなるような作業から解放されるメリットはあります。

 しかし、このソフトはまだ登場していない「レポート/自由帳MOREソフト」「インクワープロMOREソフト」「表計算MOREソフト」をも想定しているため、実際の使用時にトラブルを発生させます。

 添付されている説明文を読んだだけでは分からず、実際に試してみないと、どういう問題が発生するのか分からないのが相変わらずのザウルス(を作った人達)的不親切さでしょう。


 先進的人柱体験から、これからこのソフトを使おうとする人達へ使い方ノウハウを公開します。


■項目追加ソフトの入手

 「データ追加受信」MOREソフトはシャープスペースタウン内で公開されています。

 詳細情報:http://www.zaurusworld.ne.jp/menu/zinfo/newzp/mi-ex1/zrst.zhtml 

 ここからアイクルーズで直接ダウンロードするか、パソコンでダウンロードして下さい。

 ダウンロード方法や展開方法は通常のMOREソフトと一緒です。 フラッシュメモリカード上に展開して実行する事もできます。


■使い方

 注意:発生しうる問題点として、受信データを「カード」にした場合、そのカードが以前パワーザウルスで使われていてアイクルーズで初期化されていないと受信したときに通信異常が発生します。

◎まず、アイクルーズ内のデータをバックアップしておきましょう。 バックアップはできるだけ通信によるものと、フラッシュメモリカードへのものをしておきましょう。

ex1-all.gif (15593 バイト) 受信方法の選択

 データの受信方法には「全データ受信」と「データを選択して受信」の2通りあります。

 また受信データの保存先(受信後にデータが登録される場所)は本体か、カードかを指定する事ができます。

ex1-select.gif (15664 バイト)
ex1-list1.gif (13470 バイト) 選択受信:必要なデータの選択

 受信方法で「データを選択して受信」を選択した場合、このように受信可能データ一覧が表示されます。

 受信したいものだけ、選択するようにします。

◎重要な注意点

 現時点ではアイクルーズ側に「レポート/自由帳」に相当する機能がないのですが、選択受信で強制的に選択すると受信できてしまいます。(対応機能が無い場合はグレーアウトした状態でリスト表示)

 この時データはMYコンテンツに入りますが、使いものにならないデータ並びとなりますので選択しないようにしましょう。

 あとから削除するのは非常に面倒です。

 全データ受信のときは、追加受信されないようです。

ex1-list2.gif (13297 バイト)
ex1-go.gif (15177 バイト) 通信方法の選択

 光、またはケーブルを選択します。

 ケーブルの場合はさらに「通信速度」なども設定します。

 アイクルーズ側で「実行」してから送り側のザウルスで全データ保存を実行します。

pz-bkup1.gif (17696 バイト) 送り手側のザウルス(パワザウの例)

 「全データ保存」を選択して実行します。

pz-bkup2.gif (12825 バイト)

 実際に通信が完了するとしばらく(データ量にもよるが2〜5分)アイクルーズは「お待ち下さい」を表示した後、使えるようになります。

 これで旧機種のデータが移行された状態となります。

問題になりそうな操作 結果
同じ処理を2回した場合 例えばアドレス帳なら同じデータが2個登録された状態になります。
これは「追加受信」であるが故の現象です。
途中でエラーが発生した場合 確認できていませんが、正常に処理が完了しない場合はデータの追加は無いようです。

■アイクルーズを作った人は必要性を感じなかったのだろうか?

 アイクルーズは曲がりなりにも"MI-EX1"という型番と「ザウルス」アイクルーズという名前が付いたザウルスです。

 これらを見れば、アイクルーズはMIシリーズのザウルスであると誰でも思うでしょう。

 当然データも少なくとも下位機種のデータは読み込める程度の互換性があるものと信じて購入するわけです。

 ところが実際にはザウルスシリーズのデータを限定的に受け入れることはできても、長らくユーザーが蓄積してきた「情報ファイル」によるデータ分類やレポート、インクワープロ、表計算といったものが全て無に帰するというトンデモない仕様に買ってから気付くわけです。(その他制限事項多々あり)


 アイクルーズ作った人は過去のザウルスシリーズを使わずに、いきなりアイクルーズから使い始めたのか? それとも情報ファイルやインクワープロ、レポートなど使わずに暮らして来たのか? 

 パワザウなどでダイレクトキー左側上隅というベストポジションを与えていた「情報ファイル」の存在意義はなんだったのか?

 アイクルーズは手抜きのような仕様で売り出すからユーザーは買ってからの満足度も全然上がらないわけです。

 シャープさんが「ザウルス」という名前に未練が無く、データ互換性を失ってもVGA画面が登載したいのならすれば良いし、ユーザーはそう言った「偽ザウルス」を買わなきゃ良いわけです。(実際、誰も買わないから価格が暴落する(^^;)


■画像無しマニュアルは無意味では?

 ソフトと同時に配付された説明書きの不親切さが際だち、使う上でのストレスとなります。

 私もソフト関連の仕事をしているし、コミュニケーションパル本を書いた時にはマニュアル作りの難しさを体感しましたが、それでも「ユーザーが知りたいと思う<ツボ>を押さえる」ことができればソフトの使い勝手が大きく変わります。

 ちょっとした画像が1枚あれば100行の言葉より理解度が高まります。 発生し易いトラブルがリストアップされていば、ユーザー自らが問題解決できるでしょう。

 ザウルスプラザの昔からソフトの説明は「ザウルスでアクセスするという建前」的にテキストによる説明がなされていますが、アイクルーズはVGA画面が登載されて画像付きページでも見やすくなっています。 また、ユーザーの多くはパソコンも持っており、パソコンでマニュアル表示しながら操作できるでしょう。

 有償のクイックパスはできてるじゃん。 無料のアップデータとかツール類は手抜きするのかな?

 ちょっとした手間を惜しまずに1〜2ページの画像入りマニュアルを作ればユーザーの心理的負担も減るし、ユーザーサポートへの問い合わせが減ると思うのですが、何年経っても改善されないよな〜(- -+