■筐体の互換性

BI-310外見はパワザウ2と同じなので筐体さえ手に入ればブラックボディーのパワザウ2ができると思います。

この場合、問題となるのがパワザウ2のモデムジャック部分でこれの成形色がライトグレーなのです。

このパーツは交換しようと思うとフレキシブルケーブルの半田付けをし直すなど壊す危険度大なので塗るしかないかな?

初代パワザウはこのパーツが黒色なのでパワザウ2は買わないけど...の初代ユーザーはチャレンジしてみると良いかも。

また、この部分はBI-310ではクレードルとの電源接点が設けられています。

構造的な推測をすると内部の仕切部分が若干変わっている可能性もあるのですが、パワザウに比べて増えている要素は少なく基板ユニットの載せ換えには問題がないと思います。


■スーパーモバイル液晶(反射型液晶、HR液晶)の実際

スーパーモバイル液晶に関してはバックライト液晶に対して本来筐体を薄くできる、重量の低減、電力消費の低減、明るいところで見やすいなどのメリットが知られています。

薄くできる点に関してはBI-310の場合全くメリットが活かされていません。

HR液晶のBI-H318、TFT液晶のT318とも同じ筐体を使っています。(これに関しては新規に筐体を作るコストの問題が重視されたようです)

重量はT318が320g、H318が290gと若干軽くなっています。( う〜ん、30gの差をどう見るか?モデムカードも約30gだし(^^; )

消費電力の低減は目を見はるものがあり、T318の10時間に対しH318は20時間と倍増しています。(が、ビジネスザウルスの解説ページを見ると対バックライト液晶比の電力削減率1/7とあるのが謎!)

バックライトって大飯ぐらいなのねとつくづく感じます。

hr_lcd.gif (17672 バイト)
写真提供 シャープ株式会社殿
透過型(バックライト)液晶とHR液晶厚さの違いの秘密

さて、画像の方はどうかと言うと「なんか遠くの方に見える」という印象です。

画像のボケやにじみは全くありませんが、TFT液晶のパワザウ2の画面を基準と考えると数ミリ奥まって見えます。

この数ミリが想像以上に距離感を感じさせます。

さらに「くっきり見えすぎる」というのが逆に画面を小さく感じさせているような気がします。

パワザウ2などはバックライトの光が回り込むのか、タッチパネルのコーティングによるものか微妙な「にじみ」が入りそれが画面サイズを実際よりも大きく見せている気がします。

また、BI-310は反射という現象を最大限活かすためかタッチパネル部分がクリアな状態(パワザウ2等はアンチグレア的なコーティングがされています)のため映り込みが目立つ場合があるのと指紋などの付着が結構めだちます。(パワザウだと多少汚れてても気にならないのですがBI-310は気になりました)

画面の見やすさに関してはHR液晶に期待し過ぎないようにしましよう。

->HR液晶搭載機の様子 インプレスのPC-Watch シャープ、反射型カラー液晶を搭載したザウルス


・展示方法に異議あり

なお、名古屋の展示会ではH318は担当者のポケットの中に入っていて「ありますか?」と聞かないと出てこなかったのです。

担当者曰く、「スポットライト(白熱電灯)下ではちょっと暗めですよね、蛍光灯下ならもう少しハッキリ見えます」

うむ、あまりTFTと比較されたくないのだね。

HR液晶のメリットを前面に押し出すなら直射日光下での比較や、蛍光灯下での比較を行うブースを作って欲しいものです。

4/13 追加

と、書いたところ当日の展示品はまだ製品版ではないため、その画質を基準に判断されると困るから敢えてこうしていたとのこと。(そう言ってくれればそのように書くのにね)

ならば、東京の展示会にも参加して再度確認してみましょう(^_^;


4/17 東京の展示会見てきました

市ヶ谷の展示会を見てきたのですが、ちゃんと蛍光灯が置いてありその下での見え方を評価できるようになっていました。

明るい蛍光灯の下ならまずまずの見え具合でした。(直射日光下はどうなるのかは展示会じゃ難しいのかな?)

今回はデジカメ(CE-AG02/03)を差して展示会場の明るさで撮影体勢を取ってみましたが、やはり屋内での撮影用途には向きません。

十分な入射光を得られないため画面が見えにくくピント合わせができませんでした。

撮影に関しては直射日光下で試してみたい気がします。


5/19 ビジネスショウTOKYO'98における展示

ビジネスショウではフロントライト付きHR液晶搭載のビジネスザウルスが展示されていました。

これは反射型液晶の前面から光を当てるもので、弱点と思われた暗いところでの見え具合はかなり改善されています。

また、展示方法も照明をつけた状態/消した状態の切り替えができる箱の中で行っており、比較検討がしやすくなっています。

->フロントライト付き液晶搭載のビジネスザウルス


・パワザウ2の買い控え

NIFTYのFZAURUSやFPDA、NewsGroupeのfj.sys.zaurusなどを見ると「HR液晶がパワザウに搭載されるまで待つ」とか「18MB搭載まで待つ」といった発言がちらほら見受けられます。

3月にパワザウ2が発売されて「買おうか?」と考えていたら魅力的なBI-310が出てパワザウ2の買い控えが起こっているようです。

ビジネスザウルスの販売ルートは法人営業推進部となっておりパワザウ2など店頭商品とは違うルートのようで営業担当者は「知ったこっちゃない」状態かもしれませんが、電気店など販売店の担当営業とかは怒ってるのでは?(販売店の人は怒ってるだろうな、きっと(^^; )


・これからパワザウ2やBI-310を購入しようとする人へのアドバイス

私の運用形態はアドレス帳、スケジュールの利用と出先でメールを読む、ブラウザを使うという運用で主に屋内で利用しています。

地図ビューアを使う場合日光の下では画面が非常に見にくいという点を除いてバックライト液晶搭載機で困ることはありません。

室内での利用が多い場合は迷わずバックライト液晶モデルを購入しましょう。

両者を並べて見れば迷わないと思います。

消費電力の問題にしても本体機能だけを使うなら別ですが、特にデジカメ使う場合はHR液晶のメリットはあまり感じられません。

また、HR液晶の特性からみて室内、展示会等のやや暗めの照明下ではファインダとしての役割にもやや問題があると考えます。(特に撮影時には液晶を立てた状態でファインダにするので入力光が余計に減少します)

なお、屋外で車とか店舗画像を撮る場合はHR液晶の方が圧倒的に有利です。(バックライト液晶ではほとんど画面が見えずファインダの用途をなしません)

BI−T310/T318
BI−H318
約10時間
約20時間
カレンダーを連続的に表示させた場合。バックライトの明るさは「最小」で2分間、その後の減光で8分間を繰り返した場合
BI−T310/T318
BI−H318
約6時間
約15時間
1時間当たり検索(呼び出し)を5分間、表示状態を55分間の割合で連続的に行った場合
BI−T310/T318
BI−H318
約210分
約300分
デジタル携帯電話アダプターCE−DA4を使用してデータ通信(送受信)を連続的に行なった場合
BI−T310/T318
BI−H318
約200分
約270分
PHSアダプターCE−PA3を使用してデータ通信(送受信)を連続的に行なった場合
BI−T310/T318
BI−H318
約120分
約160分
モデムカードCE−AM03を使用してデータ通信(送受信)を連続的に行った場合
BI−T310/T318
BI−H318
約75分
約110分
デジタルカメラカードCE−AG03で連続的に撮影した場合
上記の数字はいずれも使用温度25℃で、バッテリーパックが満充電のときのものです。
シャープ株式会社のホームページモバイルビジネスツール“ビジネスザウルス”3機種を新発売より引用

バッテリーパックを余分に1個持っていれば事足りる場合が多いのです。(それより緊急用外部電源(電池)アダプタのようなものがあれば「いざ」というときでも困らないのですが)


屋外や日中に車の中で使うケースが圧倒的に多い場合はHR液晶搭載機をお勧めします。

営業的に使っているとJRの駅など屋外でアドレス帳を見ようとした場合やはりバックライト液晶では見にくい場合が多くPIシリーズのほうがマシというケースが多々ありました。

ハンディターミナル用途で使う場合はオペレーション時間の長さでHR液晶の方が有利だと思う反面、室内での利用となると例えばメンテ業務で配管スペースに入ったら何も見えない状態になるので使い分けが必要になると思います。


パワザウとBI-310を比較して唯一うらやましいと思う点が18MBモデルがあるという点でこれぐらい容量があれば地図ビューアデータも苦にならないと考えます。

逆に大容量になるとバックアップをどうするか? メモリ整理の時間がかかりすぎるなど弊害も出てくるので善し悪しなのですが。

この点、BI-310はIrクレードル経由で高速通信ができるためバックアップ問題はさほど気にならないことでしょう。


個人ユーザーへ一言。 

迷うならパワザウ2を買うべし

これが私からのアドバイスです。


■5/29補足

フロントライト付きHR液晶搭載機なら買っても良いかも(^^;


■HR液晶にバックライトをつけると?

HR液晶とバックライト液晶のミックス技、バックライト付きHR液晶パネルの可能性について聞いたところ、反射型としては暗くなり、バックライト型としても暗いという全くメリットの無いものとなるようです。(鏡に穴を開けちゃうようなものです)

hr_lcd_vs_lcd.gif (29972 バイト)
写真提供 シャープ株式会社殿
透過型と反射型の構造の違い

5/29補足

バックライトがダメならフロントライトがあるということで、フロントライト付きHR液晶ができたようです。

フロントライトを搭載すると結果的にバックライト付き液晶並の厚さになることと、フロントライトとバックライトの消費電力に差が無いことでHR液晶のメリットはなくなります。(ただし、フロントライトOFFでも条件によっては画面が見えるのでその分バッテリの持ちがよくなります)


■スーパーモバイル液晶人柱計画

よほどLMTが儲かっているならBI-310のシステム周り一式を調達(コミュニケーションボックスも含めると総額50万円ぐらいか?)してあれこれundocumentedしまくるのですが、今はそれどころじゃないのでWeb上で情報収集しながらパワザウ2にスーパーモバイル液晶を搭載できる可能性について検討してみました。

TFT液晶とHR液晶の仕様を調べると(厳密にパワザウ、BI-310の液晶を比較したわけではありませんが)液晶駆動電圧に違いがあるようです。

駆動信号に関しては互換性がとれている(またはとれる)ようです。(この部分は解剖して検討してみないと見えてきません)

そのためパワザウ2がHR/透過型の違いを検出できるようなハードウェア環境になっていればそのまま載せ換えることができそうなそうな気がしますが、自動検出でない場合はTFTセッティングのままHRを載せると壊れちゃうかもね(^^? 

mi600_lcd.jpg (17926 バイト) パワーザウルスの液晶パネルを裏側から

下の茶色っぽい部分が液晶パネルと本体を繋ぐフレキシブルケーブルです。

mi600_main_lcd.jpg (19796 バイト) コネクタとの位置関係

パワザウの場合は赤枠のバックライトを光らせるためのインバータ結線が必要ですが、HRではバックライトは不要なのでこの結線部分は不要でしょう。

問題は緑枠のコネクタの位置関係と仕様です。

果たして互換性はあるのでしょうか(^^?

尤も、このあたりを調整するための項目が「悪魔の裏技サービスダイアグ」上にコモン電圧調整として存在するので設定値さえわかればなんとかなるか? と考えています。

それよりも18MBのメモリ基板を調達してパワザウ2に載せたい欲求のほうが強いか(^^; (ファームが載っているのでパワザウ2のメニューキーの一部が無効になっちゃうな)


■BI-310にサービスダイアグはあるか?

使い方によっては一瞬にしてパワザウを使いものにならなくさせるサービスダイアグですが、BI-310も同様の方法で起動できるそうです。

項目に関してはパワザウ2と違いがあるようです。

service_1_8.gif (4542 バイト) パワザウ2のサービスダイアグ

よく見たらバージョン18だったか(^^;BI-310と一緒。

システム全般のチェックを行いますが、内部データ領域のチェックをするとデータが破壊されますのでむやみに実行しないようにしましょう。

service_volt.gif (2887 バイト) 液晶の駆動電圧を変える設定?

少しだけ試しましたが、数値を上下させると画面の濃度が変化します。

一般ユーザーにとってサービスダイアグは「百害あって一利無しの」機能なのでど〜でも良いことなのですが、マニア心をくすぐる項目なのです。

果たしてパッチ上に何が隠されているか?なんて事にわくわくしちゃいますね(^^)V


■フラッシュメモリカードの違い

常々疑問に思っている点としてパワザウ内部のメモリ上にデータ展開した場合とフラッシュメモリカード上にデータを展開した場合に著しい処理速度の差が見られる場合があります。

今回確認したところによるとフラッシュメモリカードの種類毎に違いがあるとのことです。(価格やブランドには影響されません)

同一メーカーでも容量によって処理速度の差があり、またOEMによる供給が入り組んで出荷時期でことなる仕様があるなど一概にどこのメーカー/型番がベストといえない状況のようです。

特にフラッシュディスクのアクセス速度を決めるポイントとしてデータアクセスのブロック単位、書き込み処理のブロック単位がかなり影響しているようです。

この部分はフラッシュメモリカード上のコントローラが司っているためパワザウ側では手も足もだせません(^^;

この部分を客観的に検証するためのベンチマークをつくらなきゃと日々思っているのですが、次から次へと余分なこと(こんなページ作ること)してるので遅々として進みません。\(T_T)/お手上げ〜っと。


■BI-310でDoPaカード他は使えるのか?

使えます。

DoPaカード 2896P2まで対応できます。


とりあえず、こんなもので随時情報を追加します。