1.ル・クローンとは

(株)ソア・システムズが開発しています。->詳細は Le Courant Home Page

パワーザウルス/ザウルスポケット/ビジネスザウルス対応版は"LC Mobile"という愛称がついています。

ル・クローンは既にPC,Unix,AS/400(IBMのホスト)などのプラットホーム上で動作しているプログラム開発/実行環境です。

各プラットホームに対応したランタイムルーチンが用意されており、実行プログラム(ソースかな?)は各プラットホーム間で互換性を持ち、例えばWin95 上で動作しているル・クローンベースのプログラムはパワザウ等のル・クローンランタイム上で実行することができます。(ただし、画面構成などの問題で変更点は多いと思います)

ル・クローン(LC Mobile)で作製したソフトも「MOREソフト」として扱われます。(プログラム本体以外にザウルス用ランタイムルーチンも必要です)


2.プログラミング環境

プログラムはWindows 95/NT上で組み、パワザウ等に転送して利用します。

プログラムの作成自体は非常に簡単です。

あらかじめ定義されているボタン、テキストボックス、リストボックスなどの部品(オブジェクト)に対して大きさ、色、文字サイズなどの「プロパティ」の設定とボタンが押された、テキストが入力されたなどの「イベント」に対するプログラム記述という流れになります。

オブジェクトには「グリッド」も用意されており表形式によるデータの入出力も簡単に記述できます。

lc_pwb.gif (42746 バイト)
株式会社ソア・システムズ LC Mobile

画面構成もザウルス上で表示される状態と同じイメージで部品の貼り付けを行うことができます。(現行のCE-KT5だと結構このあたりに手間をとられて開発工数が嵩みます)

プログラム言語自体は独自の物ですが、サンプルを見ると命令や関数はビジネスアプリを組む上で必要なものが揃っています。

回りくどい命令が少なく、パラメータ数も少なくて済むため修得は容易だと感じました。

他のプラットホーム上のファイルシステムと互換性を持つことからシームレスなデータ交換も容易にできます。


3.ザウルス向けの拡張

LC Mobile独自の拡張として、現段階でデジカメ(CE-AG02/03)制御が可能になっています。

ル・クローンのアプリからデジカメを撮影状態にすることができ、撮影後の画像データもファイルに取り込むことができます。

ル・クローン(LC Mobile)は現在開発中の段階ですが、パソコン上で開発してパワザウ上での動作をエミュレートすることができるようになりデバッグを簡素化することができるそうです。

また、ZaurusOS APIの利用によるザウルス内部データの利用、MOREソフト側からル・クローン側のデータファイルのアクセスなども想定されているようです。


4.PC等とのデータ交換

これは別途解説していますが、シャープからMCOP(MobileCommunication for Power Zaurus) という通信環境がリリースされています。(MOREソフト等の開発者向けに提供されシステム組み込み可能です)

これを使うと簡単なコマンドでザウルス--PC間のデータ通信が実現でき、データファイルだけでなくプログラムのバージョン管理、パワザウ内部のデータメンテまで行うことができます。

ル・クローンでもこの部分を利用したデータ通信を行いユーザデータやマスタデータの送受信を行います。

ビジネスザウルスとIrクレードルベースのシステムならデータの自動集配信ができるので更にデータ交換が簡単になります。


5.どのような用途に向くか

定型業務のビジネスアプリ作成向けです。

一般的な受注管理、販売管理、システムメンテナンス、POSなどデータベースを基本とした入出力処理プログラムの作成が非常に簡単にできます。

また、マルチプラットホームの強みで他のプラットホーム上で開発されたル・クローンアプリの移植やデータの利用などが簡単に行えます。

逆にゲームソフト、通信を利用したソフト、ザウルス基本機能(スケジュール、アドレス帳他)のデータ処理などパワザウ固有の機能を利用するアプリケーションは苦手なジャンルと言え、ZaurusOS/APIとのハンドリングをしないと処理できない種類のプログラムは組みにくいようです。(MOREソフトでこの部分のインタフェースを組んで対応させることはできるようですが、開発工数の低減という趣旨からはずれます)

価格に関しては開発環境が十数万円、プログラムを動作させるためのランタイムルーチンに関して1台あたり数千円のライセンス料の支払いが必要になるようです。

個人向けのプログラム開発環境ではなく、システムインテグレータが法人相手にシステム提供する場合の開発環境であるといえます。

また、企業内で簡単なアプリを作るということも考えられます。

表計算ではデータ入力に難点があり、パーソナルデータベースでは数値処理ができないという場合など、ル・クローンでアプリを作って対応するという運用が考えられます。(ExcelのマクロやVBAで処理手順を組んだプログラム経験があればすぐに作れます)


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