最新のMOREソフト開発環境 SZAB(CE-KT7)

MOREソフト開発環境は"SZAB"として一般向けに市販されました。

これはCE-KT5のZAB3.0をZAB4.1にバージョンアップし、Cコンパイラもハードウェアプロテクションキーからソフトウェアプロテクションキーに変更するなどの改善がはかられています。

特にZAB4.1本体は大幅に改善され、CE-KT5では不十分だった統合開発環境としての体裁もまずまずのものとなっています。

MOREソフト解説をご参照下さい。


旧開発環境

MOREソフト開発環境 CE-KT5

これまで情報が極端に少なかったCE-KT5ですが、最近は展示会に出品されるようになりました。

MOREソフトのプログラム環境で把握しにくいのがCE-KT5やZAB、Cコンパイラといった断片的な言葉だけ情報として漏れ伝わりCE-KT5だけで開発できるのか?とかCは汎用品で良いのかなど情報が錯綜していました。

CE-KT5はZAB(ZaurusApplicationBench)というプログラムワークベンチ(アプリケーションランチャの方が適切かな?)とGUI等を定義するビューエディタ、文字列エディタ、イメージエディタ、リソースコンパイラ、メニューエディタ、ZaurusAPIに対応したライブラリから構成されており、専用のC言語開発環境と組み合わせて始めてMOREソフトを組むことができます。


1998/04/10現在のMOREソフト開発環境

必要なソフト 仕様
CE-KT5 ZAB及びユーティリティから構成。
アプリケーション開発マニュアル、ZaurusOS API解説、クラスライブラリ解説マニュアル付き
これ自体は 35,000円程度の価格設定。
Cコンパイラ
(MORE1またはMORE3?)
GREEN HILLS社SH3(パワザウのCPU)用Cコンパイラ
コンパイラ、アセンブラ、リンカ、ライブラリから構成されます。
1ユーザーライセンスのMORE1と3ユーザーライセンスのMORE3?があります。
プリンタポートに接続するハードウェアプロテクトキーが付属しています。(これが運用しにくくて困るのですが)
1ユーザーライセンスのMORE1が180,000円程度です。
これ以外に必要なもの Winodws 95が動作するPC(DOS/V互換)、NTでは部分的に動かないユーティリティがあるため開発に支障がでます。
CE-155TS等の通信ケーブル。 パソコンからザウルスへのプログラムの転送用。
ビジネスザウルスはMCOP利用の通信環境下でクレードル経由で転送できるらしいのですが、GREEN HILLSのデバッガはケーブル接続が前提なのでこの点がどうなのかは不明です。

これまでのCE-KT5のわかりにくい点の一つとしてC開発環境と平行して提供されていたADL言語と共通のZABを使っているためマニュアル表記も両者が混在していました。

付属のユーティリティ群もC用、ADL用が混在しておりCオンリーで開発しているのに不要なユーティリティをインストールする必要があるなど運用面でもわかりにくいものがありました。


■新しくなるCE-KT5(ZAB)

◎これがSZAB4.10(CE-KT7)になりました。

CE-KT5に関するアナウンスとして従来別売であったCコンパイラを同梱したパッケージとして新価格体系で発売されるようです。(98/6〜7以降)

これにより従来の数分の1のコストで開発環境を揃えることができます。(価格に関しては諸説あり不明/ル・クーロンとの兼ね合いがどうなるか?)

ZAB V3.0でも問題とされたGUI周りの設計のしにくさやマニュアルの不備も改善された物に生まれ変わるようです。(現行ユーザーに対しては1万円で製品版が提供されました

cekt5_all.jpg (23432 バイト)  

ZAB(CE-KT5)の新バージョン

現行がV3.0なのでV4.0でしょう。

ZABが本当のApplication Benchになりました。

これまで設定しにくかったGUI周りがパワザウ等の画面と同等のスケールで編集できるようになっています。

また、プロパティやイベントもVisual BASICなどと同様な一覧性の良い物となりプログラム開発負荷を減らしどうです。

 これと同時にCE-KT5もリニューアルされC言語を含んだパッケージとなるようです。(価格も下がるはずです)

cekt5_gui.jpg (28007 バイト) ZABによるGUI設定(ビューエディタ)

ボタンサイズ、文字サイズがパワザウ上で表示されるものと同じ状態で表示されます。

ZAU3.0のビューエディタでは表示文字サイズが固定されており実際にパワザウ等に転送しないとどのような状態で表示されるのか把握しにくい状況でした。

cekt5_bi300.jpg (25047 バイト) 上記の画面上でGUI周りを設定した物をパワザウに転送した結果

ほぼ、画面通りの状態でパワザウに表示されます。

(Button Testの文字列はパソコン側で編集したため異なっています)

あたりを付けて部品配置しておいてパワザウで確認->修正という手間が減ります。

cekt5_property.jpg (15837 バイト) ZAB 4.0のプロパティ/イベントリスト

そのまま直接入力できるようになり設定も楽になりました。

イベントの記述は試しませんでした。(イベントタブが用意されていることから従来通りイベント単位でコード記述をするようです)

cekt5_manual.jpg (17963 バイト) 改訂されたマニュアル

これまでA4の用紙が4穴バインダで綴じられていて使い勝手の悪かったマニュアルがB5サイズの冊子になりました。(総ページ約800)

従来のマニュアルでは別途提供だったカメラAPIに関しても収録されています。

これはZAB 3.0用です。(ZAB3.0固有の情報はないので4.0でもさほど変わらないと思います)

ZaurusOS API部分には大きな変更はありませんが、クラスライブラリの解説が充実しており具体的な使用例とそのイメージが添付されクラスに対する理解度を高めています。

なお、将来的に紙のマニュアルだけでなくPDFフォーマットによるマニュアルもCD−ROMで提供されるようです。

この他の情報
カラーパレット表示 ザウルスシステムカラーテーブルに合わせたパレットを表示
減色処理機能 イメージデータに対してカラーテーブルに合わせた減色処理を行う
複数フォーム平行作成 フォームエディタの複数起動が可能に、フォーム間のコピー&ペーストも可能
ビルド中に各種エディタを起動可能 プログラム作業の効率化

実際のところC言語+APIによるプログラム開発はなかなか敷居が高いものです。

定型的なビジネスソフトは別項目で解説しているル・クーロンのようなオブジェクト指向言語で作成した方が簡単に組むことできますし、運用管理も楽です。

一般ユーザーが自分のプログラムを組む環境としてCE-KT5+Cとル・クーロンの中間レベルのプログラム開発環境が必要だと考えますが...。

Addin BASIC for PowerZaurusあたりが欲しいところです。

一方でパワザウ等のブラウザがJava対応してJavaで組んだプログラムをブラウザで実行できるような時代が意外に早く来る気がします。