■リモコンシステムの改良

第一次実験ではフォークリフトキットをそのまま使った撮影にチャレンジしましたが、色々と改善しなければならない点があります。

リモコンシステムV2以降での課題は以下の通り。

1.リモコンケーブルの変更

現在のリモコンはケーブル長が1m程度しかないためケースの近くまで行ってコントロールする必要があります。

このケーブルを10Base-T用のケーブル(8芯)と交換して最大10mまで延長する予定です。

ケーブルの抵抗で10m延長が無理そうな場合はカメラ制御側にリレーを噛ませて制御する予定です。

拡張性を考慮すると10Base-T用のコネクタをリモコン側、ギアボックス側に用意してそれぞれに配線するのが良いのですが、このコネクタが1個1000円近くするので却下だろうな〜(^^; 300円ならやるけど。

2.カメラの前後移動

カメラの前進後退はフォークリフトの駆動部を使わずにもう少しスムーズに動くものに交換する予定です。 今のところスライドレールに載せてベルトにより前進/後退させることを考えています。 

フォークリフトのアップダウン部分の機構部分を水平方向に使えば前後の移動が実現できそうです。

3.カメラの左右振り

カメラの左右回転には減速比の大きなギアを使う予定ですが、このままフォークリフトの駆動部を使っても良いような気もします。(適当に抵抗を入れて減速)

4.カメラのアップダウン

カメラのアップダウンはこのままフォークリフトのものを使う予定。

当初カメラの仰角俯角制御のためにもギアを入れた方が良いかと思ったのですが、カメラの高さと仰角俯角は比例しているため、ひもを使った単純な制御方法で済みそうです。

5.ターンテーブルの回転

回転はギアボックスに取り付けたゴムタイヤでターンテーブル部分に回転を伝えます。

ケースが乗った状態のターンテーブルを回転させるためにはかなり大きな回転トルクが必要と予想されるため減速比率の高い高トルク型ギアボックスを使う予定です。

ゴムタイヤを使った間接的回転制御なので回転停止時にギアにかかる負荷はタイヤの滑りで吸収できそうです。

カメラ制御の概念図

ターンテーブルによりハムスターが入っているケースが回転する。

ケースは長方形のため、回転によってケースとカメラの間隔が変わる点を考慮する必要がある。

カメラは前後移動可能なレール上に設置。 ベルト駆動で前後移動を行う。

カメラは左右にそれぞれ90度づつ振ることができる。

カメラを載せるレールそのものも左右に90度振ることができる。
レールを振ることでカメラアングルの変更がしやすくなるはず。

これで4チャンネル使うからカメラの上下が出来ない(^^;

取りあえずカメラレールの振りは後回しにしてそれ以外を実現してみましょう(^^)/

 

■V2での改善

V2ではリモコンケーブルの延長、カメラのアップダウン、ターンテーブルの回転に関する改善を行いました。


リモコンシステムV2 青いEtherケーブルがカコイイ。

1.リモコンケーブルの延長

リモコン本体側、フォークリフト側とも10BASE-T用のEthernetコネクタを取り付けることでリモコンケーブとして10BASE-Tケーブルが利用できるようになります。

ケーブルの負荷抵抗が気になるところですが、今のところ5m程度ではモータの回転速度等に違いは見られません。

リモコン本体側

Etherコネクタをユニバーサル基板に取り付けています。

本来Etherコネクタはハーフピッチ(穴の間隔1/20インチ)なのですが、手持ちの基板がノーマルなものしか無かったので、無理矢理差し込んで使ってます。

Etherコネクタを部品屋で買えば300円〜500円はするのですが、このコネクタはISAのEthenet基板から取り外しました。(さすがにISAのボードはもう使わないからな〜(^^;)

フォークリフト側

こちらもジャンクなISAカードから外したEtherコネクタを付けています。

コネクタの位置はケーブルの取り回しの邪魔にならないよう工夫しています。


2.カメラのアップダウン

V1ではカメラの仰角/俯角方向の確度は固定されていましたが、V2ではカメラ位置によって可変になっています。

モーターなどの動力によらず、フォークリフトのフォーク位置(高さ)に応じて確度が変わるようになっています。

カメラモジュールも変更

カメラ部分が重くてフォークリフトが転倒しやすくなっていた点を改善しました。

旧カメラモジュール

カメラ本体はレンズ部分と金属製の筐体です。

カメラ後部のプラスチックケース内に電源回路が入っています。

このような取り付け方をすると、重心がかなり前の方にかかります。

新カメラモジュール

電源回路を作り直し小型化してカメラ下部に押し込みました。

重心位置も改善され、フォークリフトの転倒事故が減りました。

カメラの仰角/俯角制御

フォーク部分のアップダウンに連動してカメラの仰角/俯角が変わります。

高い位置になった場合はカメラが下を向く(俯角)ようになっています。

カメラから出ている電源/ビデオケーブルをフォークリフトのフォークスライドにクリップで留めただけのものですが、これでも十分実用的に使えています。

★リフトのアップダウン動画

フォークのアップダウンで変化する俯角(37秒)

フォークが上がるとともにカメラの俯角が大きくなります。


3.ターンテーブルの回転

これまで手動で行ってきたターンテーブルの回転もモーターを搭載し、リモコン操作できるようにしました。

ターンテーブル全景

従来のビデオテープによる嵩上げではビデオテープの幅がありすぎて回転用モーターと干渉するため、木片を使った嵩上げを行っています。

画面左下隅にあるのがターンテーブル回転用モーターです。

ターンテーブル回転用モーター

タミヤ工作セットの遊星ギアボックスを使っています。

400:1の減速比の時、1794g・cmのトルクが得られます。

ターンテーブルへの動力伝達

ターンテーブルを回転させるためにゴムタイヤを使っています。

3Vの電圧でモーターを回転させた時に30秒でターンテーブルが1回転します。

ホットメルトボンド

ギアボックスなどはホットメルトボンドを使って固定しています。

ターンテーブル回転の様子(1分5秒)

ギアボックスに取り付けられたタイヤによりターンテーブルが回転します。


■レンズ部分の工夫

ピント位置が分かるようにマーキングしました。

ピント位置マーカー

ライブ中に結構頻繁にピント調整するので目安となるようにマーキング


■現在の状況(2001/05/24)

ハムハムライブステージ5(まったりライブ)はリモコンシステムV2で放映中です。

技術的チャレンジとしては「赤外線投光機の導入」を予定しています。

前後方向の移動固定化はもう少し先になりそうです。

リモコン操作とフォークリフト/ターンテーブルの動き(1分3秒)

コントローラーの操作とフォークリフトの動きの関係がわかります。

リモコンの機能を一通り使って撮影した動画(2分29秒)

ケースの回転、カメラの移動、アップダウンなど一通り使ってハムハムライブしてみました。

リモコンシステム実験中の様子を興味深く見守る(^^? E1の姿。