■ビデオカメラを改造

赤外線ライブの実験は取りあえず成功しましたが、明るさ不足で鮮明な映像が得られませんでした。

これはビデオカメラ内にある赤外線フィルタにより赤外線の大部分がカットされるためです。

通常の照明/日光などで撮影する場合に赤外線まで撮影できてしまうと色が正確に出せないため赤外線フィルタで余分な光をカットするそうです。

ハムハムライブでは直射日光下で撮影することはほとんどなく、夜間でも蛍光灯照明下での撮影となるため赤外線の影響はあまり無さそうなので赤外線フィルタを除去することにしました。

カメラユニットを分解したところ

シンプルな構造なので分解はネジ3本を外すだけで簡単にできました。

レンズもねじ込み式なので簡単に取れます。

レンズ部分

右の大きなパーツがレンズ本体、左上はワッシャー、左下がバネです。

ねじ込み式なのでゆるみが出ないようにバネの圧力で押さえつけています。

押さえつけていると言っても手で回せる程度です。

ビデオカメラ基板表側

レンズを外すとその奥にCCDユニットが見えます。

ビデオカメラ基板裏側

色々と部品が付いています。

このカメラユニットは結構古いものらしいので基板サイズが大きくなっています。

レンズマウントを外したところ

画面右端にご注目。

レンズマウントを外してCCDが剥き出しになっています。

レンズマウントとCCD

外したマウントとCCDです。

CCDモジュール拡大

CCDの上に乗っているガラス上のものが赤外線フィルタです。

赤外線フィルタの色

赤外線フィルタの色は赤っぽい色です。

ガラスに何らかの金属を蒸着して薄膜を作っているようです。

厚さは仕様書によると0.8mmです。

赤外線フィルタを外した状態

赤外線フィルタを外すとCCD本体が剥き出しになります。

赤外線フィルタはかなり強力に接着されているため、外すのに苦労しました。

赤外線フィルタとCCD本体

注意:赤外線フィルタを外すとCCD本体が剥き出しになります。 この状態でホコリなどが付くと画質がかなり劣化しますので取り扱いには十分な注意が必要です。 このビデオカメラユニットは構造が簡単なので赤外線フィルタの除去も簡単でしたが、デジカメやビデオカメラなどは構造が複雑になっており分解すると壊れる場合もありますので実験される方はご注意を。


■赤外線投光機設置方法の改良

実験段階の赤外線投光機据え付け位置は若干奥まっており光量不足の一因でした。

また、投光機の角度変更を考慮していなかったためレンズの向きと赤外線の向きを一致させるのが困難でした。

そこで投光機の設置方法を改良しました。

改良前 改良後

改良前の投光機はレンズからかなり奥まった位置にあり、角度変更も難しい取り付け方法だったのですが、L字金具を使いレンズの真上に投光機が来るように固定する改良を行いました。 投光機の角度変更も容易になりました。

同時に電源とビデオケーブルの位置を変更し投光機に干渉しないようにしました。

改良できたぞ! よーしテストだ〜

が、大失敗(^^)/

大失敗の図

光量オーバーでハレーションを起こし、何が写っているのか分からなくなってしまいました(^^;

赤外線投光ユニットの能力はものすごく高いようで、5m先まで明るく照らし出します。

これを10cm先に当てたらハレーションを起こすのも当然なのでしょう。

せっかくの投光機設置方法改良も全く意味が無くなってしまいました。


■再度改良

レンズのそばに赤外線投光機をつけている限り光量オーバーを回避できないとの判断により、赤外線投光機を分離しました。

また、赤外線投光機の電源はこれまでカメラユニットの電源と共通でしたが、分離に伴いACアダプタによる供給方法に変更しました。

本来赤外線投光機に必要な電源はDC12Vだったのですが、手持ちのACアダプタに12Vの物が無かったため9.5Vの物を使っています。(PHSの充電器についていたもの)

結果的にこのDCアダプタを使ったのは大成功で、12V電源時には手に持てないほど発熱したものが、9.5Vではほとんど発熱しなくなりました。 

同時に光量も若干落ちたようですが、その方がハレーションも起こさず好都合です。

カメラユニット

赤外線投光機を外しました。

すっきりしたな〜(^^)/

赤外線投光機の設置位置

ライブステージ上にクリップで留めました。

固定方法は今後の課題です。

赤外線投光機の状態

天井からケース内部を照らすようにしています。


■改良後の映像

真っ暗な状況でも昼間のように明るい画像が撮れるようになりました。

ただし、天井からの投光にしても光量が十分すぎてややハレーションを起こしています。

電源電圧を下げたり、照射方向を変えるなどの試行錯誤が必要になりそうです。

実験段階での映像

レンズ前10cm程度程度しか鮮明に写すことができませんでした。

また、水入れやエサ入れのような赤外線を吸収してしまう物体は真っ黒に写ります。

■赤外線フィルタ除去後の画像

ライブ撮影時でもケースの端から端まで明るく照らし出されています。
これでも明るすぎ

ケース全体を照らし出すことができるようになりました。

明るすぎで巣箱の中がハレーションを起こしています。

水入れなども鮮明に

改良後は水入れもちゃんと写ります。

ハムスターボールの中もはっきり

投光機の光はケースの中心当たりを照らし出すようにセットしてあるため、ちょうどその下にハムスターボールが来ると中に入ったハムスターにハレーションを生じています。


参考資料

RealProducerでエンコードした際の画質劣化


RealProducerでエンコード:帯域45Kbps

RealProducerでビデオカメラからの映像をエンコードすると画像が3割ぐらい劣化します。

元画像ではハムスターの毛並みが鮮明に写るのですが、エンコード後は毛並みがぼんやりしてしまいます。

このエンコード後の画像をRealServerで配信するともう一段画質が劣化してかなりぼんやりとしたものになります。

画質をあげるには帯域を高めに設定するのが一番ですが、実験では120Kbps以上なら動きと画質の点で満足できるライブ画像が得られます。

ただし、この速度ともなるとパソコン側の性能も800MHz程度のCPUが必要になると思われます。(Duron 900@800MHzでCPU利用率85%程度になります)